給食費

うちもなかなか親が払ってくれなかったよ。給食費の支払いはかなり優先順位が低かったよ。けど最終的には払った。子どもが粘らないと払ってくれなかった。

給食袋を提出しないのは子どもである私たち（弟妹も）にとっては非常に恥ずかしく屈辱的なことだった。貧乏なのはだいたい自覚しているのだけど、それを学校という場で、不提出というかたちで、明らかにして認めないといけないということが嫌だったんだよね。だから、親に対して粘る。「4,000円くらい払ってよ〜」とか直接的に要求するとキレるので、機嫌がよさげな時を見計らって、テーブルの上にそっと給食袋を置いておくと、運がよければ、あとで取りにいってみると中に千円札が入ってる。

私たち兄弟妹は「なんなんだよお、この家は〜」とお互いに文句を言い合って親のいないところで鬱憤を晴らしていた。

私が中学3年のとき、高校での奨学金手続きのため父の給与に関する書類を学校に持っていくことがあったのだけど、中をのぞいたら、一年間で100万円もいってなかったんだよね。大工さんだから仕事のあるときないときがはっきりしてるからこういうときもあるんだとはわかっていたけど、実際恐怖した。なんで生活できてるんだろうか、とか、借金まみれなんじゃないんだろうかとか。

それ以来なんだか私たち子供のほうが親の浪費をいさめるようになってしまい、親が「なんか買ってやる」と言っても「いらん」と言うのが普通になった。お年玉もとにかく幅広く集めて親に渡してしまう。

ところで、「何かほしい物ある？」とか「何かしてほしいことある？」とかいう質問はとても苦手だ。何も浮かんでこないし何もない。ない。屋根が付いたところで普通に寝泊りして生活できたらそれで良いと言ってしまう。別段誇張もしてないし別段控えめに言っているのではないのだけど相手はそうは受け取らないらしい。素なんだよ、だから、嫌なんだよ（笑）。